懐かしき土地

そしてその後、幼馴染だった子のうちを訪れる。私には同じ日に同じ病院で生まれた幼馴染がいて、昔はよく一緒に遊んでいた。今では彼とは全く連絡をとってないが親同士は今でも仲がいい。で、私は高校入学とほぼ同時に、同じ宇都宮で引越しをしているので、彼のうちは私が前に住んでいたところに近い。そのためこの日はとっても懐かしい気分になった。そのおばさんに会うのも10年ぶりぐらいになっていた。彼の写真を見せてもらうと、彼はすっかり社会人になってて、もう30近いのではないかというくらい大人っぽくなってた。

そのうち近くに、思い出深い総合グラウンドという運動場があって、そこを通り過ぎた。中学校まではここによく来ていた。水泳大会やマラソン大会があったり、ただ遊ぶだけだったり、大会前にはよくトレーニングをしていたのだ。
思い出深いのは、やっぱり大会で記録が伸びなくて悔しい思いをしたり、1位をとってうれしかったりした記憶が沢山あるから。私はこの学校のマラソン大会が1番嫌いだった。いつもちょうどクリスマス前で、これがなければどれだけ12月を楽しめることかと思った。でも言ってしまえば、ただの校内のマラソン大会なのに1位を取ることにだけを考えていて、大会前1ヶ月前ぐらいから不安と緊張でいっぱいだったのを覚えている。それを少しでもなくしたくて一心不乱に練習してたけど、そのときは「楽しむ」ってことを知らなかったな〜。

そんなことをふと思い出し、「過去」っていうものをその場所を見ながら強く感じた。何も形として残っていないけれど、その時の記憶は自分の中に確かに残っている。そのときの感情が強かったりしなければ印象に残らないが、ある意味、いい思い出も辛い思い出も記憶の中には等しく残っている。今はまだ私の中の記憶なんて少ない。だってたった23年。(あと1週間で24年か)一瞬一瞬の感情って大切にしなきゃなって思った。短い(または長い)人生の中でその時の自分の気持ちがなかったら、何も記憶に残らない。自分が生きてきた時間は自分にしか分からないんだな。そして他人と一緒に過ごせた時間はまた等しく大切で、その記憶が共に残っているってことは実はもっとすごいことなんだと思う。少なくとも私にとってはうれしい。それぞれ本人がその時間を印象あるものとして自分に残しているから。私にとって人とそのときの過去の思い出を語り合えることはすっごく幸せだな〜。

ちょっとまとまってないけど、おわり。